2007年10月31日

へっぽこ魔法師さいごのひ〜サンタの場合〜

テモズの昼は、ちと暑い。じりじりと焼けるような日差しに、彼女は居心地悪く身じろきをした。
「おぇー」
「もう消化されてるって。しつこいと嫌われるよ〜?」
「sakuraちゃんはきやい」
「あう」
ぷいとそっぽを向けば、消沈した彼女の気配がわかる。少しくらい凹めばいいのだ。今回の彼女の失態は、ウカツという言葉で片付けられない。
「おっかしいなぁ。もうそろそろ元に戻ってもいいはずなんだけど」
「もどらにゃい」
「んだねぇ」
はあ、とため息を吐いたのはどちらだったのか。
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posted by さくらもち at 22:57| Comment(0) | とある魔法師の童話

へっぽこ魔法師さいごのひ〜凛の場合〜

ころりん改め、凛嬢の朝は早い。
否。いつもは遅いのだが、この日だけはやたら早かった。
「なんだろ、胸騒ぎがする」
眉間にシワを寄せ、大きなアクビの後に彼女は呟いた。
寝ぼけ眼をこすりこすり、半分寝たまま支度も済ませて街へ出る。冒険者にひとときの休息はあっても、非番の日はない。警備員にもないであろう至福の一日は、ヘルマーシュ大陸の民には無縁のようだった。
それはともかく。
「昨夜遅く、ヘンな声聞こえたし。かるく街を見ていこうかな」
彼女の本拠地はクロロレンスにある。森がキレイだとか、果物がおいしそうだとか、そういう理由で家を作ったらしい。
昨日に限って、テモズの宿で泊まったのは気まぐれだ。なんだかんだでちょくちょく戻ってくる街は、少しずつ変わり始めている。それが、行き来する冒険者のせいなのかはわからない。
「あ、おはようございます。エルフラさん」
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posted by さくらもち at 21:30| Comment(0) | とある魔法師の童話

2007年10月30日

へっぽこ魔法師さいごのひ(前夜)

A3正式サービスもあとわずか! 何やら、訳のわからんフィナーレイベントが公式にて開催予定となっております。プレイヤー間では、意中のプレイヤーキャラに思いの丈をぶちまけようイベントも用意されているとか。
ここで何もせずに終わる「へっぽこ」ではありません! 元はギャグ、今もギャグ、これからもギャグを貫く管理人ならではの短編をご用意いたしました。
突発的に練りに練ったネタを、どうぞご賞味くださいませ。少しでも楽しんでいただければ幸いです。


※へっぽこシリーズ本編とは全く関係ございません。
※似たような組織名、個人名、固有名詞などがありますが、実際の名前とはこれっぽっちも関係ございません。


とりあえず読んでみる
posted by さくらもち at 23:43| Comment(1) | とある魔法師の童話

2007年10月26日

第三部 15話

深呼吸して、転送を待つ。一瞬の間を置いて、sakuraはスパトキアの入り口に立っていた。うっそうと茂る木々の向こう側、ひらけた広場の中央はスカラブの大群で埋め尽くされている。
「うわあ・・、虫だらけ」
虫といっても、小さな子供くらいの大きさはある。それが二重、三重と積み重なるようにして群がっているのだ。スカラブの羽音が思ったより静かなのが、救いだった。
「しかも、周りはキオンとイシルエンで囲んでるし」
魔法の光は途切れることなく、中空から矢の雨が降り注ぐ。キオンとスカラブが多すぎて、中心にいるであろうWishたちの姿が見えない。
ふいに、ケロドでオルゴックの大群に襲われた冒険者の末路を思い出す。状況は似ているが、食うモノと食われるモノの立場は全然違う。おびき寄せられたのはモンスターの方だ。動きを封じられ、凍らされ、燃やされ、両断される。
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posted by さくらもち at 21:12| Comment(7) | とある魔法師の物語

2007年10月19日

第三部 14話

「大丈夫?」
「あ、ころりんもやられちゃったんだ」
「うん」
冒険者は、常に死の恐怖と隣り合わせだ。強くなろうとすればするほど、強敵と戦うことになる。
「クアゾって、スパのボスだからね」
「へえ」
道理で硬そうな外見だったわけだ。
「そういえば、さっき『魂ごと消し飛ぶ』って」
「ああ」
「この世界で、あたし達は死ねないんじゃなかったの?」
「よくわかんないんだけど」
いつものほんわかとした表情をひきしめ、凛は言う。
「ヘイゼンド地方で、冒険者が消えてるらしいのよ」
「消えてる?」
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posted by さくらもち at 22:18| Comment(3) | とある魔法師の物語

2007年10月12日

第三部 13話

新境地スパトキア、通称スパor温泉。若き冒険者たちが、こぞって集う憩いの場所である。
「いあああああぁ!?」
「少しは静かになるかと思ったんだけど」
ため息混じりにぼやいたのはWishで、他の面子は黙々と攻撃を繰り返していた。つまり、無駄口を叩く余裕がない。大地をも叩く振動に石兵たちが動きを封じられ、そこへ降り注ぐ矢の雨あられ、まばゆいばかりの光の放射線。
「バターになるバターになるばたあぁ!!?」
「あ、逝った」
「・・何度目」
「さあ?」
「sakuraちゃん、相変わらずね――あ」
「凛ちゃんも」
サンタが何ともいえない顔で苦笑する。
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posted by さくらもち at 23:52| Comment(2) | とある魔法師の物語

2007年10月05日

第三部 12話

そこで目にしたのは、世界を燃やし尽くさんばかりの赤い炎だった。
「すごい夕日」
「あれ、sakuraちゃんはクロロ初めてだっけ?」
「うん」
エゴニル地方は山岳地帯で、御世辞にも見晴らしがいいとは言えない。平地が続けば、大きな廃墟がそびえていたり、目をつぶさんばかりの砂嵐に、モンスターどもがワラワラ集まってくるのだ。とてもじゃないが、周囲を見回す余裕なんかない。
ヘイゼンドの入り口クロロレンスは、まるで別世界に来たような錯覚に惑わせる。
「緑多いねえ」
「果物なってるよ」
「マジ?!」
「食べるなよ?」
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posted by さくらもち at 21:10| Comment(6) | とある魔法師の物語

2007年10月03日

没ネタ

本編とは別ルートで、裏話として書いていたけど、あんまり格好つけるのもヒイキだよねーと没にした残骸(苦笑。ええ、血ミドロ好きです。好きだともさ!

へっぽこクエスト最終話で、ちょろっと出してみましたが。コメントでも書いたように、4人は旧知の仲設定です。クリタロス騎士団の原型というか、最初は狩りをするパーティ組んでた仲間だったんだよ、と。
元々A3の騎士団とは、そういうものだったらしいです。狩りをするために協力者を求め、それが大きくなって騎士団のひな形になったという。
神に戦いを挑んだ伝説の騎士団も、仲間が欠けていくことで消えていきました。一人だけ違うのは、こういう事があったんだよーというのを書きたかったんだけども。
うーむ、上手くいかんもんです。いつか、ちゃんとした形で過去編まとめられたらイイナ。

前置き長くなりましたが、どんなのでも許せる方は以下のリンクをクリックくりっく♪

没でもいいから、読んでみる
posted by さくらもち at 11:20| Comment(0) | へっぽこな設定