2008年04月21日

へっぽこ魔法師、塔へ行く! その参

サンタ「sakuraちゃん、sakuraちゃん」
sakura「なんですか、どんぐち二号さん」
サンタ「違うよ、どんぐちなのはころりんちゃんだよ」
sakura「どっちでもいいです。んで、何? どした」
サンタ「『心臓の魔法師』ってなぁに?」
sakura「ころりん、出てきやがれ!!」
凛「はいはい。なになに、呼んだ?」
sakura「間違った知識教える、いくない!」
凛「だって、心臓集めクエの話でそ」
sakura「そーだけど、心臓の魔法師ってえぐいでそ!」
凛「サンタちゃん…」
デジレ「あ、それは私」
sakura「あんたかああああぁ!!」
デジレ「そんなに怒らなくてもいいじゃない〜」
sakura「リアルなの! えぐいの!! 誤解招くの!!」
デジレ「人気なさそうだから、最新ネタは更新しないってゆってたし、別にいいんじゃ…」
凛「あ、そうなんだ」
サンタ「んで、みんなの出番は?」
sakura「ぎくぅっ」


(負けて、たまるか・・っ)
気合を入れろ。
気迫で負けるな。
心が折れたら、それは死と同義だ。
全身の神経を研ぎ澄まして、周りへの警戒を努める。おそらくは他の冒険者たちも同様なのだろう。あくまで好戦的なのは一部であり、誰に攻撃されたか分からないままに反撃していると考えられた。
つまり、とばっちりだ。
それはそれで腹が立ってくるのだが、今は呑気にしている場合じゃない。とにかく生き抜くことを最優先しなければならなかった。
(魔法師の弱点は体力不足)
鎧の耐久力もさることながら、強力な攻撃に耐えられない。その為の遠距離魔法だったり、桁違いの魔法攻撃力だったりするのだが。
防御力を犠牲にした攻撃力は、どんな風に影響してくるのか。そもそも相手はsakura同様に、同士討ちの中を生き抜いてきた者たちだ。逃げ足だけが頼りのへっぽこ魔法師とは違う。
シューの違いである程度の目星をつけられるが、それでも推測の域を出なかった。
「みぃ・・つけ、た・・♪」
「!?」
ぞわっと背筋に悪寒が走る。
振り向けば、驚くほどの至近距離に魔法師が立っていた。そのせいか、仮面の下でニンマリと笑んでいるのが見てとれる。
(こいつだ・・!)
四の五のと考えている暇はなかった。
できるだけ中央柱の影になる位置に転移し、続けて塔の壁側へと再び跳躍する。相手は魔法師だから、追いかけっこはこちらが不利だ。魔法が発動する前に回避できれば、今はそれでいい。
塔が再び動き出せば、上の階に着いてモンスターがまた沸くだろう。そちらに注意が向いている間に、もう少しだけ距離をとれば何とかなる。
だが、それは甘すぎる考えだった。

  **

気付いた時には、テモズの見慣れた広場が周囲に広がっている。
「んがああぁ〜っ!!」
「吼えるな」
「やられた!」
「あ、おかえり〜」
デジレの明るい声も、敗北の屈辱に震えるsakuraには届かないようだ。地団駄を踏みならすわ、獣じみた唸り声を上げ続けるわ、さながら先祖返りでもしたのかと危ぶむほどの狂態だった。
「うーん、やられちゃった」
「キサマかー!!」
「う?」
「よくわからんけど、ぬっころされて戻された!」
「こっちもだよ〜」
強い人いたみたいだね、と凛はあっけらかんと笑っている。
「キャンディー無駄になっちゃった」
「使ったの?」
「うん」
「でも、やられちゃったの?」
「あっという間だったんだもん」
「へえ〜」
デジレがおっかない、と言って身震いした。
塔に繋がるポータルはもう効力をなくし、どこにあったのかも分からなくなっている。ちらほらと冒険者達が街に留まっているのを見る限り、まだ最上階までたどり着いていないのだろう。
「お宝欲しかったなー」
「あ、でもさ。大したことないらしいよ?」
「凛さん、マジですか?!」
「うん。うちらが入れる所は」
「・・・・は?」
「んとね」
凛の説明するところによると、『欲望の塔』は4種類あるらしい。同じポータルから飛べるのだが、通過する時にレベル別に振り分けられる。
「つまり、同じような強さの人と一緒になるってコトよね」
「ふむ」
「よほど攻撃重視に鍛えてるんだろうなぁ」
「防御は紙だね」
「んだね」
「次は負けん」
「sakuraちゃんも魔法師なんだから、先手もらったら同じだよ?」
「はぅっ」
「凛ちゃんもsakuraちゃんも、また塔へ行くつもりなの?」
「「もちろん」」
二人の声が唱和して、デジレは苦笑した。
「物好きだね〜」
「今度はいつ開通するかな」
「さあ?」
「出てくるまで、出現予定地で念じておくか・・」
「変質者扱いで捕まっても、助けてあげないからね」
「ひどいわ、ころりん! 地獄の果てまで一蓮托生って誓った仲なのにッ」
「ナイナイ。それと、ころりんって呼ぶな」
sakuraが芝居がかった仕草で泣き真似をすれば、凛は冷めた表情の前で手を振った。名前の訂正もちゃんと忘れない。
「とりあえず、どこかで休もう? 二人とも疲れたでしょ」
「デジレが『おなかすいた』と言っています」
「sakuraちゃん、通訳乙」
「デぶー」

塔は今日も冒険者を待っている。
宝の噂につられ、欲望にまみれた本能を引き出す魔法を仕掛けて、鍵を持つモンスターと共に待っている。
何故そんな『塔』が現われたのか。
いつから、そんな噂が広まったのか。
誰も知らないうちに、異変は少しずつ染められていく。
自らを『神』と名乗る者たちの手のひらの上で踊りながら。
posted by さくらもち at 05:47| Comment(2) | とある魔法師の日常
この記事へのコメント
懐かしい会話ね〜
どんぐち。。。。。。

どんぐりの背比べからスタートしたんじゃなかったっけ???
ちなみに命名はうぃずちゃでしょw

おもわず吹き出しそうになりました。
Posted by 虎 at 2008年04月21日 19:16
天然って癒されるよねw

今回は冒頭でツッコミ編といいますか…。
塔のお話はひとまず、これで終わりですが
また思い出した頃にリベンジ編が追加されるかもです。
Posted by さくらもち(管理人) at 2008年04月22日 22:22
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