2007年11月02日

へっぽこ魔法師さいごのひ(後夜)

「ねえ! それでそれで?」
「それで、って・・・・死んでしまったからね。これで、おしまい」
「え〜」
納得いかないとばかりに、少年はふくれっつらになる。ローブの先から手が伸びて、少年の頭をくしゃりと撫でた。
「かの主神ラベルゥも、死んだ後はあっけなかったもんさ。束縛されていた時代は終わり、また新しい時代が始まる」
「ふぅん。よくわかんないや」
「おや、チビ助には難しかったかねぇ」
「チビじゃないやい!」
「そういう台詞は、アタシよりデカくなってから言うんだね」
「むぅ〜ッ」
手の下で、少年はジタバタと暴れる。見習い聖騎士の短剣が、腰で揺れていた。まだ遠出は許されないが、テモズの外くらいなら一人で歩けるようになった。
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posted by さくらもち at 18:41| Comment(0) | とある魔法師の童話

2007年11月01日

へっぽこ魔法師さいごのひ〜sakuraの場合〜

「あははははは!!」
響き渡る笑い声に、sakuraはむっつりと黙り込んだ。
「はは・・。いや、うん。ごめんね? 可愛いよ、すっごく」
「思い切り笑いまくった後に言われても。嬉しくも何ともないでぃす」
「ぶ、くく・・っ」
「・・・・」
なおも笑い続ける凛は、ひぃひぃと笑いの発作に悲鳴を上げる。目尻に浮いた涙を拭うと、こちらに視線を合わせようとするのだが。
それはそれで、笑ってしまうので意味がない。
「かわいいよ、すっごく」
「サンタちゃん、超棒読み」
「だって、いちおう人間のままじゃない。あたしと違って」
「これの?! どこが!?」
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posted by さくらもち at 21:08| Comment(0) | とある魔法師の童話

2007年10月31日

へっぽこ魔法師さいごのひ〜サンタの場合〜

テモズの昼は、ちと暑い。じりじりと焼けるような日差しに、彼女は居心地悪く身じろきをした。
「おぇー」
「もう消化されてるって。しつこいと嫌われるよ〜?」
「sakuraちゃんはきやい」
「あう」
ぷいとそっぽを向けば、消沈した彼女の気配がわかる。少しくらい凹めばいいのだ。今回の彼女の失態は、ウカツという言葉で片付けられない。
「おっかしいなぁ。もうそろそろ元に戻ってもいいはずなんだけど」
「もどらにゃい」
「んだねぇ」
はあ、とため息を吐いたのはどちらだったのか。
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posted by さくらもち at 22:57| Comment(0) | とある魔法師の童話

へっぽこ魔法師さいごのひ〜凛の場合〜

ころりん改め、凛嬢の朝は早い。
否。いつもは遅いのだが、この日だけはやたら早かった。
「なんだろ、胸騒ぎがする」
眉間にシワを寄せ、大きなアクビの後に彼女は呟いた。
寝ぼけ眼をこすりこすり、半分寝たまま支度も済ませて街へ出る。冒険者にひとときの休息はあっても、非番の日はない。警備員にもないであろう至福の一日は、ヘルマーシュ大陸の民には無縁のようだった。
それはともかく。
「昨夜遅く、ヘンな声聞こえたし。かるく街を見ていこうかな」
彼女の本拠地はクロロレンスにある。森がキレイだとか、果物がおいしそうだとか、そういう理由で家を作ったらしい。
昨日に限って、テモズの宿で泊まったのは気まぐれだ。なんだかんだでちょくちょく戻ってくる街は、少しずつ変わり始めている。それが、行き来する冒険者のせいなのかはわからない。
「あ、おはようございます。エルフラさん」
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posted by さくらもち at 21:30| Comment(0) | とある魔法師の童話

2007年10月30日

へっぽこ魔法師さいごのひ(前夜)

A3正式サービスもあとわずか! 何やら、訳のわからんフィナーレイベントが公式にて開催予定となっております。プレイヤー間では、意中のプレイヤーキャラに思いの丈をぶちまけようイベントも用意されているとか。
ここで何もせずに終わる「へっぽこ」ではありません! 元はギャグ、今もギャグ、これからもギャグを貫く管理人ならではの短編をご用意いたしました。
突発的に練りに練ったネタを、どうぞご賞味くださいませ。少しでも楽しんでいただければ幸いです。


※へっぽこシリーズ本編とは全く関係ございません。
※似たような組織名、個人名、固有名詞などがありますが、実際の名前とはこれっぽっちも関係ございません。


とりあえず読んでみる
posted by さくらもち at 23:43| Comment(1) | とある魔法師の童話

2007年09月22日

へっぽこクエスト・すぺしゃる(5)

※捏造ネタです。実話無視につき、ご了承ください。


=そして新たな物語を紡ぎだす=(ラストクエスト)

「食べるのはいいけど、食べられるのは嫌アァ!」
「あ、起きた」
sakuraの傍でしゃがんでいた娘が、にこっと笑う。
「おはよ、桜ちゃん」
「あーっ、さっきのウサギ!」
「う、うさぎ?」
きょとんと不思議そうな顔で首をかしげる。確かに、今の姿は色白でプラチナの髪に、青い目は弓師の特徴だ。しかし襟首の狭いブラウスのようなものを着ていて、とても戦えるような格好ではない。
「おー、やっと起きたか」
「飯の匂いにつられたんだろ」
少し離れた所で、焚き火を囲んでいる一団がある。胴と兜を外した戦士二人に、同じく兜を外した魔法師が二人という組み合わせだ。
「色気より食い気のへっぽこ娘だからねぇ」
「違うぞ、Wish。『へなちょこ』娘だ」
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posted by さくらもち at 17:35| Comment(3) | とある魔法師の童話

2007年09月21日

へっぽこクエスト・すぺしゃる(4)

=やっと見つけました=


ぎゃいのぎゃいのと言い争っていても、ラチがあかない。sakuraはため息一つ、
「大体ね、オッサンの顔なんか塗ってどーするのよ」
どことなくカテル神に似た顔が三つ。左のは完全に染まって、元の形もわからなくなっている。何気なしに手を置いたら、べちゃりと音がした。
「あ、ペンキ塗りたて注意」
「先に言え!!」
思わず吼える。
すると、いきなり顔がゴゴゴと鳴りだすではないか。地響きのようなものは、セルバブもどき全体も大きく揺らす。
「なになになに!?」
「あわわ、扉が作動した! 女王様に見つかっちゃったー!」
「きゃー」
「首を刎ねられるの、いやー」
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posted by さくらもち at 19:32| Comment(0) | とある魔法師の童話

2007年09月20日

へっぽこクエスト・すぺしゃる(3)

※注意!! 全員キャラ壊れています。


=お名前をお聞きしても?=

「だーもう、走りにくい!」
裾の長いドレスは足にまとわりつく。右足の部分をぐわしと掴んだsakuraは、両手を思いっきり横に広げた。薄い布を重ねただけのドレスは、派手な音を立てて引き裂かれる。
さらに裂いた両端を、腰にまきつかせて反対側で結ぶ。一気に膝までめくれあがった衣装を見て、彼女は満足げに頷いた。
「おし」
これでかなり走りやすくなった。
再び前へ進もうとするsakuraの視界が、急に変わる。確かに屋内だと思っていたのに、今は青白く光る洞窟が広がっていた。見かけはセルバブに似ている。猛毒を持つヘルボノーイがウロついているが、血果の木も猛毒の泉「プルーン」もない。
「ここ、どこだろ・・」
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posted by さくらもち at 18:40| Comment(0) | とある魔法師の童話

2007年09月19日

へっぽこクエスト・すぺしゃる(2)

※総員コスプレ中につき、ご注意を(平謝


=目覚めのキス=

ヘマードの正体見たり、灯台守。
「なぁんて、言ってる場合じゃない! どこへ逃げた、あのウサギッ」
カンテラ片手にひしめくヘマードの大群を蹴散らし、sakuraはウサギの姿を捜し求める。ただでも白くてちっこいのに、ヘマードの足の向こうに見えなくなる。さらに、この建物は妙に複雑な造りになっているのだ。
「大変、たいへん」
「そこかー!」
角を曲がると、そこは行き止まりだった。古そうなタルやら、麻袋やらが積み上げてある所を見ると、倉庫部屋なのかもしれない。
「おお、やっと来たか」
部屋の中央に、その男は居座っていた。デンと大きなテーブルには、派手な色彩が広がっている。
「アンタら一体、何やってるの・・」
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posted by さくらもち at 17:26| Comment(2) | とある魔法師の童話

2007年09月18日

へっぽこクエスト・すぺしゃる(1)

A3のシナリオストーリーにちょっと触れるスペシャルクエストを元ネタとしたギャグコメディを連載・・やっちゃいます!
まあ、何が起こるかって、予想できちゃう人も多いかと思いますが。雄叫びと追いかけっこと、逆ギレと魔法が乱舞するお話・・。
ついでに、今のcrystal騎士団に欠かせぬ御方が初登場します。自分がこういう状況なので、出演許可(確約の方)はいただいておりません。この場を借りて、ゴメンナサイと言います。
ええい、覚悟しろ〜w

『童話的な5のお題』
1)お喋りするウサギ
2)目覚めのキス
3)お名前をお聞きしても?
4)やっと見つけました
5)そして新たな物語を紡ぎだす

お題提供:Ewig wiederkehren様
http://blaze.ifdef.jp/index.html

=お喋りするウサギ=
posted by さくらもち at 18:00| Comment(2) | とある魔法師の童話