2008年04月20日

へっぽこ魔法師、塔へ行く! その弐

sakura「えー、本日は拙作『へっぽこ魔法師の奮闘記』を読んでいただき、まことにありがとうございます。あの〜、当管理人がうっかり寝過ごしたせいで定期更新ができず、本当に申し訳ありませんでした。ほいで、お詫びの短編を短期集中連載しております。なんでか、一部の読者より要望のありました『塔編』であります」
Wish「誠意が足らん!!」
sakura「え〜」
Wish「むしろ、なんでウチがツッコミ役に借り出されているのかが理解不能なんだけど…」
sakura「出番ないって、ゆってたから」
Wish「活躍! の!! 出番!!!」
sakura「イタッ! ちょ…マジで痛いって、イタタッ」
凛「なんだかんだで、あの二人って仲良いよね〜」
デジレ「そう見える凛ちゃんは、幸せだと思うよ…」

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posted by さくらもち at 23:18| Comment(0) | とある魔法師の日常

2008年04月19日

へっぽこ魔法師、塔へゆく! その壱

sakura「えーと、へっぽこ読者からの質問です」
竜虎「なんだか弱そうなやつらだな」
sakura「(知らぬが華知らぬが華・・)」
大将「題名がそういう名前なんだから、仕方ないだろう」
マンキン「ああ! つまりsakuraさんが」
sakura「それ以上言ったら、燃やし尽くす」
マンキン「やれるもんなら・・」
竜虎「おい」
マンキン「ゴメンナサイ」
大将「で、質問って?」
sakura「え・・あ。んと、『謎の三人組はいつ騎士団に加入したんですか?』だそうです」
謎(?)の三人組「・・・・・・」
??「第二部15話以降。ウチがスカウトした。以上」
sakura「ちょ・・あの、団長!?」
Wish「人数足りないから、こいつら連れて行く。あとよろしく」
sakura「え?! あ、あたしはッ?」
Wish「お詫びとお礼の挨拶まだでしょ」
sakura「ぎくぅっ」


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posted by さくらもち at 04:28| Comment(1) | とある魔法師の日常

2008年04月11日

第四部 13話

  ―― お い で

誰かの声がする。

  ―― お い で

優しく、柔らかな響きに乗せて、甘い誘いが聞こえてくる。
「だれ?」
「私は導くもの。そなたが追い求めてきた存在」
乳白色のもやの中で、何か大きな姿が降り立つのが見えた。それがとてつもなく強大なものだと直感的に悟る。たぶん、その名前を知っているはずなのに、彼女には探し当てることができなかった。
答えの見えない苛立ちに、彼女は眉を寄せる。
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posted by さくらもち at 16:53| Comment(4) | とある魔法師の物語

2008年04月04日

第四部 12話

かつて同じ道を歩いた。同じ未来を夢見た。求めるものが何かという事もわからないまま、ただ強さを追いかけていた。
「・・でも、もう」
昔のままの自分達じゃない。守るべきものがあり、共に行く仲間があり、目指す先がおぼろげに見えてきた。何も失わずに進む事はできず、それでも進まずにいられないという事を知った。
「終わりにしよう、湖伽」
もしかしたら、これも失ったものの一つだったのだろうか。
傷つき、血を流す仲間たちとは逆に、欠けた鎧から見えるのは空洞。本来なら見えるはずのない装甲の裏側は、表以上に傷だらけだった。
それは彼の戦ってきた路。
あの時分かたれてから、独りでどれだけの傷を負ってきたのか。
「感傷に浸っている暇があるのか!」
「うぐっ」
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posted by さくらもち at 12:15| Comment(3) | とある魔法師の物語

2008年03月26日

第四部 11話

両手足に4つ、胴の前後に2つ、そして両頬に刻まれたルーン文字が光を放つ。勝利と生命力の呪を顔に宿した魔法師は今、どんな姿になっているか自覚しているのだろうか。
「戦士に肉弾戦を挑もうなど、百年早い!」
怒鳴り、魔力を帯びた杖ごと弾き返した。
小柄な体はまともに衝撃をもらって、そのまま後方へと転がっていく。それでも途中で地面にくらい付き、ギッと睨んできた。
「――ッ!!」
その眼は、どこか血の色を連想させる。
褐色の肌に緋色の髪がからみつき、ヒビ割れて欠けた鎧からは真新しい血が流れ続けていた。傷を癒す間もなく、戦闘にもつれこんだのだ。
にもかかわらず、彼女の力は衰えるどころか狂気じみた威力を発揮する。
「それが……奴に与えられた『力』か」
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posted by さくらもち at 18:09| Comment(3) | とある魔法師の物語

2008年03月21日

第四部 10話

「その前に湖伽」
「・・何だ。命乞いなら聞かんぞ」
「なーんかさ、忘れてやしないかい?」
ニヤリとWishが笑う、その時だった。
「んがあああああぁっ!!」
ラニアスの断末魔よりも高く、鈍く、そして濁った音を立てて、ついでに細かな破片も四方八方に飛び散る。
「ほらね」
もう三度目ともなれば、仲間たちもすっかり慣れたものだ。
ある者はとうに避難しているし、ある者は器用に破片を避ける。これ以上ダメージをもらいたくないというのもあったが、我らがへっぽこ魔法師がやられっ放しでいるはずがないのである。
「きぃ〜さぁ〜まあぁ〜!!」
ゆらりと立ち上がる身体に、9つのルーン文字がぼうっと光を放つ。
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posted by さくらもち at 17:21| Comment(3) | とある魔法師の物語

2008年03月15日

第四部 9話

「ちぃっ」
苦し紛れの魔術が、閃光をばらまいて発動する。
誰もが瓦礫がれきと共に落ちていく中、それは一瞬だけ人の形をとったように見えた。再び光の塊になっては飛び上がり、かなり離れた距離で白銀の鎧に姿を変える。
「間に合え!!」
魔術師たちが唯一持ち得る召喚魔法フェロウによって、クリタロス騎士団の全員を光が覆った。彼らの消えたわずかな隙間は、あっという間に残骸が押しつぶし、ラニアスと共に盛大な土煙を上げる。
「ぎゃああぁっ」
「・・あのさぁ」
ぽりぽりと頭をかきながら、Wishが苦く笑った。
「もうちょっとカワイゲのある悲鳴を上げられない?」
「無茶言うな!」
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posted by さくらもち at 21:17| Comment(4) | とある魔法師の物語

2008年03月14日

へっぽこ魔法師の奮闘記・番外編その2

「ころりん」
「凛」
街でかけられた声に、凛は軽く息を吐いた。何度訂正しても、彼女は変えてくれる気配がない。
「お返し」
簡潔すぎる声がして、凛の額を何かが小突いていった。
「いった・・。sakuraちゃん、何よ?」
「だから、お返し」
「へ?」
彼女は訳も分からず、きょとんとする。対するsakuraの方は、無言で足元を見ろとジェスチャーで示した。口で言えばいいのに、そういう微妙に面倒くさがりな所がある。
「もう、何なのよ・・・・あ、アメだ」
「赤いのがHP回復。青いのがMP回復」
「なんだ、変身しないのか」
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posted by さくらもち at 15:26| Comment(2) | とある魔法師の日常

2008年03月07日

第四部 8話

魔法師は莫大な魔力保持量が取り柄であり、命綱でもあった。それがどんどん減っていくのを感じながら、touyaは呟いた。
「まずいな」
「え、何か言った?!」
「……」
ラニアスの攻撃も凄まじいが、応戦する仲間たちの繰り出す技も強力なものばかりだ。的を外せば、頑強な床が花のように弾けて咲く。命中すれば、怒り狂ったラニアスの咆哮が轟く。
狩場を転々と変え、初期の頃よりもずっと強くなったと感じていた。雑魚じゃ相手にならない。もっと強い敵を探して、もっと珍しいものを見てみたい。
それは単なる気の逸りだったのか。
「きゃああっ」
「凛! …ぐぉおッ」
「常に一定の距離を保つように心がけろ! 近づけば、へっぽこの二の舞だぞ」
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posted by さくらもち at 20:12| Comment(4) | とある魔法師の物語

2008年02月29日

第四部 7話

全力疾走したおかげで、一同はすぐに出口へ集まっていた。それを追いかけるモンスターの集団も徐々に数を増やしていく。
「セルバブにトキシックですか、全く節操のない・・。あちこちの魔物を寄せ集めたっていう感じですね」
「いや、冷静に批評している場合じゃないから」
「あ、ほら。押してダメなら引いてみろ、って言わない?」
「扉そのものが熱くなっていて、触るどころじゃないですよ!」
ほら、と見せるマンキンの手は見事に焼けただれていた。
(触ったんだ・・)
「痛くないんですか、全く。ちょっと貸しなさい」
「あ、はい。スミマセン・・」
かろうじて扉らしきカタチをしているだけで開かないのならば、周りを囲む岩と変わらない。それぞれが岩壁を背に、弓や魔法で応戦するものの、熱のせいで命中率も上がらなかった。
流れ矢に当たるとまずいので、戦士と聖騎士は珍しく後方で待機だ。接近してくるモンスターがいないのは幸か不幸か。
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posted by さくらもち at 22:37| Comment(2) | とある魔法師の物語